「うちの子だけできない」と感じてしまうとき、親が心を楽にする考え方
はじめに ― ふと比べてしまう瞬間
子育てをしていると、ある日突然こんな気持ちがこみあげてくることはありませんか。
- 保育園でほかの子はもうひらがなが読めているのに、うちの子はまだ…
- 習い事で同じ年の子がスイスイできていることが、どうして我が子には難しいんだろう…
- 友達の子は発表会で堂々とできていたのに、うちの子は緊張して涙してしまった…
頭では「子どもによって成長のスピードは違う」と分かっていても、心はざわざわしてしまう。
そんなとき、親として自分を責めたり、つい子どもに厳しい言葉をかけてしまったりすることもあります。
でも大丈夫。実は「うちの子だけできない」と感じるのは、どの親も一度は通る道。ここでは、その気持ちを少し軽くできる考え方をお伝えします。

1. 成長は「線」ではなく「波」
子どもの成長はまっすぐ一本の線のように伸びていくのではなく、上がったり停滞したりする「波」のようなものです。
ある時期には言葉の発達がぐんと進む子もいれば、体の使い方が得意になる子もいます。
たとえば、3歳でスラスラ話す子がいたとしても、必ずしもその子が運動も得意とは限りません。逆に、話すのは少しゆっくりでも、リズム感や表現力が抜群の子もいます。
「今できない」ことが「ずっとできない」に直結するわけではありません。むしろ「まだできないだけ」。波のタイミングが来れば、ある日突然できるようになることは少なくありません。

2. 親の焦りは子どもに伝わる
「どうしてできないの?」「もう少し頑張って!」――そんな言葉を投げかけたくなる瞬間、ありますよね。
でも親の焦りや不安は、驚くほど敏感に子どもへ伝わります。
すると、子どもは「自分はダメなんだ」「お母さん(お父さん)をがっかりさせている」と感じてしまい、ますます自信をなくしてしまうことも…。
逆に「昨日よりちょっとできたね!」「ここまでできたんだね!」と小さな成長を一緒に喜んであげると、子どもは安心して次のチャレンジに向かうことができます。親の視点の切り替えが、子どものやる気スイッチを押すのです。

3. 比べるのは「他の子」ではなく「昨日のわが子」
SNSや園の行事などで、つい周りの子と比べてしまうのは自然なこと。
でもその比較は親の心を苦しくし、子どもの自己肯定感を下げることにつながりかねません。
そこで意識したいのは、「昨日のわが子」と「今日のわが子」を比べることです。
- 昨日はできなかったパズルが、今日はあと少しのところまでできた
- 昨日は泣いていた場面で、今日は少し我慢できた
- 昨日は一人で着替えられなかったけれど、今日は靴下だけ自分で履けた
そんな小さな変化に気づけると、親も子も気持ちが前向きになっていきます。

4. 親も「がんばりすぎない」ことが大切
子どもにとって一番の安心材料は、親が笑顔でいることです。
ところが「わが子のために」とがんばりすぎるあまり、親自身が疲れきってしまうケースも少なくありません。
少し肩の力を抜いて、
- 信頼できる人に話を聞いてもらう
- 子どもを一時的に預けて自分の時間を持つ
- 家事を完璧にやめる日を作る
そんな工夫が、親の心を守ることにつながります。
「親だからがんばらなきゃ」と思いすぎなくても大丈夫。子どもは、完璧なお母さん・お父さんを必要としているのではなく、「安心できる存在」を必要としているのです。

5. 一人で抱え込まないで
子育ては喜びも多いけれど、同じくらい悩みや不安も尽きません。
しかもその悩みは「誰かに話すのも恥ずかしい」「わかってもらえないかも」と思って、一人で抱え込んでしまうこともあります。
でも、声に出して話してみるだけで心がスッと軽くなることもあります。
同じように悩んできた人、専門的な知識を持つ人に相談することで、「そんなふうに考えていいんだ」と気づけたり、「自分だけじゃなかった」と安心できたりします。

まとめ 〜親も子も安心できる子育てを〜
「うちの子だけできない」と感じるのは、多くの親が経験する自然な感情です。
でもそのときに大切なのは、
- 成長のスピードは人それぞれ
- 小さな一歩を一緒に喜ぶ
- 親もがんばりすぎず休む
この3つを思い出すこと。
子どもは必ず自分のペースで成長していきます。親が安心して見守れることこそが、子どもの自信につながります。

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