
うちの子、集中力がなくて大丈夫なのかな…?

実はそれ、発達途中の自然な姿なんです。叱る前に理由を知ってみましょう。
「うちの子、どうしてこんなに集中力がないんだろう」
「すぐに席を立つし、話も聞いていないように見える」
「周りの子はできているのに、うちの子だけ……」
子育てをしていると、子どもの“集中できなさ”に不安を感じる場面は少なくありません。
特に園や習い事など、集団の中に入るようになると、どうしても他の子と比べてしまいがちです。
ですが、最初にお伝えしたいのは、
「集中力がない=問題がある」というわけでは決してないということです。
多くの場合、それは「できない」のではなく、
「まだその段階にいない」「育っている途中」なだけ。
- なぜ子どもは集中できないように見えるのか
- それは発達のどの段階なのか
- 親はどのように関わればよいのか
を、発達の仕組みから丁寧に解説していきます。
叱ってしまう前に、ぜひ一度立ち止まって読んでみてください。
子どもに「集中力がない」と感じるのはどんなとき?

すぐ立ち歩く・話を聞いていないと感じる瞬間
保護者の方が「集中力がない」と感じる場面で多いのは、
- 椅子に長く座っていられない
- 先生や親の話を聞かず、別のことをしている
- 作業の途中ですぐ気が散ってしまう
といった様子です。
大人の目から見ると「ちゃんと聞いていない」「やる気がない」と映ることもありますが、
実際には脳が別の刺激に反応しているだけというケースがほとんどです。
遊びや作業が長続きしない理由
子どもは、もともと注意の切り替えが早い存在です。
それは欠点ではなく、周囲の世界を学ぼうとしている証拠。
新しい音、動き、色、匂いなど、
子どもの脳は常に「これは何だろう?」と情報を集めています。
そのため、一つのことに長くとどまるより、
次々と興味を移していくのは自然な行動です。
親が「心配」になってしまう背景
それでも不安になるのは、
- このままで大丈夫だろうか
- 小学校に上がって困らないだろうか
- 発達に問題があるのではないか
と、将来を心配する気持ちがあるからです。
この不安自体は、とてもまっとうなものです。
だからこそ、正しい知識を知ることが大切になります。

そもそも「集中力」とは何か?大人の集中力とは別物

集中力は生まれつきの能力ではない
集中力は、才能や性格の問題ではありません。
経験の積み重ねによって育っていく力です。
大人が仕事や読書に集中できるのは、
脳や身体が十分に成熟し、集中するための土台が整っているからです。
子どもは、まだその途中段階にいます。
子どもの集中力は「動きながら育つ」
大人は「集中=静止」と考えがちですが、
子どもにとっての集中は、
- 体を動かしながら
- 声を出しながら
- 感覚を使いながら
育っていくものです。
走り回りながら何かに夢中になっている姿、
音楽に合わせて体を動かし続ける姿も、
実は立派な集中状態です。
集中=静かに座ることではない
「静かに座っている=集中している」
「動いている=集中していない」
この判断基準は、子どもには当てはまりません。
むしろ、動きを止められた瞬間に集中が切れてしまう子も多いのです。
子どもに集中力がない主な原因【発達の視点】

脳と身体の発達がまだ途中なだけ
集中力をコントロールする前頭葉は、
人間の脳の中でも特に成熟が遅い部分です。
幼児期はまだ、
- 衝動を抑える
- 注意を持続させる
- 行動を切り替える
といった力が十分に育っていません。
つまり、集中できないのは「怠け」でも「性格」でもなく、
発達上とても自然な状態なのです。
五感からの刺激が不足している場合
集中力の土台には、五感の発達があります。
- 触る
- 聞く
- 見る
- 動く
こうした体験が少ないと、脳は情報をうまく整理できません。
机上の活動だけでなく、体を使った遊びが重要なのはこのためです。
環境や生活リズムの影響
睡眠不足、生活リズムの乱れ、
刺激の多すぎる環境も集中力を下げます。
特に、常に強い刺激を受けていると、
脳は「一つのことに留まる」練習ができなくなってしまいます。
不安や緊張が集中を妨げることもある
叱られる不安、失敗への恐れがあると、
子どもの脳は「集中」より「身を守る」方にエネルギーを使います。
安心できる環境は、集中力を育てる土台です。
年齢別に見る「集中力が育つプロセス」
2〜3歳|集中できなくて当たり前の時期
この時期は、数分集中できれば十分です。
「次から次へ動く」のが正常です。
4〜5歳|興味のあることに没頭し始める
好きな遊びには、驚くほど集中する姿が見られます。
この「好きに没頭する経験」が、集中力の芽になります。
小学校前後で変わる集中の質
少しずつ「やりたくないことにも向き合う」力が育ちます。
ただし、個人差は非常に大きいです。
個人差が大きいことを知っておく大切さ
発達に「早い・遅い」はあっても、
「良い・悪い」はありません。
集中力がない子にやてはいけない関わり方
「ちゃんとしなさい」が逆効果になる理由
叱責は、集中力を育てるどころか、
不安や萎縮を生む原因になります。
無理に座らせる・静かにさせるリスク
体を使った経験が不足し、
かえって集中力の土台が弱くなることがあります。
他の子と比べてしまうことで起きること
比較は自己肯定感を下げ、
「やってみよう」という意欲を奪ってしまいます。
家庭でできる「集中力を育てる」関わり方
遊びの中で集中が育つ理由
夢中になって遊ぶ時間は、
子どもにとって最高の集中トレーニングです。
体を動かす経験が脳を育てる
ジャンプ、回転、リズム遊びなどは、
脳と身体の連携を高めます。
結果より「過程」を認める声かけ
「最後までできたね」より
「楽しそうだったね」「よく考えてたね」
この声かけが、集中を育てます。
生活リズムを整えることの大切さ
十分な睡眠と規則正しい生活は、
集中力の基盤です。

なぜ音楽やリズムのある活動は集中力につながるのか
音・動き・感情が同時に使われる体験
音楽活動は、複数の感覚を同時に使います。
五感をフルに使うことで脳が目覚める
五感刺激は、集中力だけでなく、
非認知能力全体を育てます。
楽しいから「集中が続く」
「やらされる」ではなく
「楽しいから続く」
これが最大のポイントです。

集中力は「今できない」からこそ、これから育つ
焦らなくていい理由
集中力は短期間で身につくものではありません。
子ども一人ひとりの育ちのペース
大切なのは、比べることではなく、
その子の育ちを見守ることです。
専門的な関わりが必要な場合もある
家庭だけで抱え込まず、
専門的な視点を取り入れることも一つの選択です。

